横浜 税理士の良い思いつき

敦賀三、四号機は一基出力百五十万キロワットを突破、世界最大となる。
世界初、世界最大を、どう評価するかは別に、これまで導入一方といってもよかった日本の原子力技術が海外に発信する段階にまできていることを示しているのははまちがいない。 大間原子力は炉型が改良・沸騰水型、ABWR。
これも日本の独自のもの。 すでに東京電力の柏崎刈羽原子方発電所の六号機、七号機に導入されている。
その特徴はいくつかあるが、その一つが高効率・大型タービンの採用。 これによって熱効率を従来のBWRより一挙に一・一%向上させることができた。
それにインターポンプの採用がある。 これまで原子炉再循環ポンプは原子炉圧力容器の外部にあったが、ABWRではこれを内部に取り込んだ。
この結果、外部に再循環パイプがなくなり安全性が高まったほか、全体がコンパクトになった。 しかし、大間原子力の最大のポイントは東海村臨界事故で延期となったプルサーマルを完全な形、燃料全量をMOXにすることにある。
いわゆる燃料フルMOXの実現となる。 部分的にMOX燃料を使用するプルサーマルは一年延期にはなったが、すでに実施計画があり、フルMOXはさらにこれを進展させる形となるわけで、日本の原子力開発が新しい段階に達することを意味する。

大間も最初からフルMOXにするのではなく、発電初期は燃料全体の三分の一程度でスタート、段階的に五年から十年をかけてフルMOXに移行する予定だという。 MOX燃料使用については安全性の問題やコスト高などの面が指摘されていることは事実である。
しかし、その反面で無用のプルトニウムを持たないという対外的な問題、それに何よりも使用済燃料のリサイクルという面からもわが国にとって重要な役割を担っている聞があることも事実だろう。 大間原発はすでに準備工事などに着手の段階にあるが、一部土地の買収が未完了であり、予定通りに着工、二〇〇七年に運転開始に持ち込めるのかどうか、多少の不安を残す。
一方、敦賀三、四号機はその出力が一基百五十三万八千キロワットと世界最大となる予定だ。 現在、世界最大の出力はフランスにあるショーズ原子力などの百五十一万五千キロワットだから、若干だが敦賀三号機はこれを上回って世界一ということになる。
原子炉もAPWR、これもABWRと同様、改良型加圧水型軽水炉と一段、進化したタイプ。 ABWRと違って少し改良点がわかりにくいのだが、例えば原子力の最後の安全施設ともいえるECCSをこれまでの二系列から四系列に増やすなどの改良が加えられている。
このほかに炉内部品の削減などが実現され、規模と質の改善が行われる予定だ。 すでに東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が総出力で世界最大だ。
今後、大間原子力が世界初のフルMOX実現、敦賀三、四号機が世界最大の出力と原子力分野において世界一、世界初をわが国が担うことになる。 これを単純に歓迎すべき事態というのはあまりにも早計に過ぎるだろうが、反面、こうしたレベルの原子力によって日本のエネルギーが確保されているということも厳然たる事実なのである。
危機管理としての二〇〇〇年問題原子力がいかに社会的問題であるかを示したのが二〇〇〇年問題だった。 電気、石油、ガスといったエネルギー分野はライフラインとされるだけに、懸念が持たれる主要な対象のひとつ。
特に電力分野では停電などの心配に加え、風説の流布といってもいい「原子力暴走説」が流されるといったこともあり、いたずらに.小安感だけが高まっていた。 当時、台湾で大地震が発生。

日本では阪神大震災があった。 電力供給が最大のライフラインとして、復旧の最優先項目とされた。
こういう背景からも二〇〇〇問題で電力が心配されたのは、当然といえば当然なのだが、実情はどうだったのか。 問題は二つ。
まず、供給は万全か。 言い換えれば、発電所、変電所などに問題は出てこないのか。
それに発電所、なかでも原子力発電所は安全なのか、という問題。 特に原子力発電は二〇〇〇年問題からみた場合、この供給と安全の双方に絡む特別な存在といえた。
それは問題の元旦の際、例年、日本の電源構成は原子力が約八割を占めることになっているためだった。 その理山は、原子力発電は巨大装置であるため、できるだけ、止めたり、動かしたりという変化を避け、同じ状態で運転を続けることが経済的にも安全性からも望まれている。
したがって需要の最も少ない元旦でも平常通りに運転し、需要の減った分は石油火力発電などを止めることで対応するから、元旦の電気はいきおい原子力から、という結果になる。 逆にいえば電気の二〇〇〇年問題は原子力にあり、という図式だったといってもいい。
では、日本の原子力に二〇〇〇年問題はなかったのだろうか。 まず安全上での問題は絶対ないということができた。
これには根拠がある。 原子力は今、コンピュータによって運転されている。

しかし、原子力運転には大前提がある。 それは、いつ、いかなる時、コンピュータが故障しても、直ちに手動などで停止させるシステムになっていることだ。
そうした事態は最初から想定されており、その対応が十分考慮されているというわけである。 この今、この瞬間にコンピュータがトラブルを起こしても、安全に停止されるだけということが当然というわけだ。
それでなければトラブルの多いコンピュータを原子力では使えない。 それでも二〇〇〇年問題が発生、原子力が停止すれば一方の問題である供給不足が懸念されたが、この面でも大きな心配の必要はなかった。
原子力発電の場合、コンピュータは大きくは二つの系列で活用されている。 制御系と監視・記録系である。
制御系は運転そのものに関する分野で、監視系は温度、圧力などの運転状況を把握する分野。 このうち制御系では問題になる日付情報の入ったコンピュータは使われていない。
電気は需要に応じた発電。 何日はどれだけの量の発電という運転はせず、日付情報無用である。
問題があるとすれば、監視系。 これは逆に日付が重要な意味を持つ。

何年何月何時何分何秒に温度は、気圧は、水量は、などの様々なデータが集積されていく。 貴重なデータを保存していくうえでは、ここでの問題の発生は緊急事態ではないのだが、長期的視点から好ましくない。
対応が必要であり、電力各社もこの点は十分承知で、十一月中には一〇〇%終了していた。 実はそれでも疑問が残った。
監視系のコンピュータに万一トラブルが発生した場合に制御系に影響はないのだろうか。 しかし、この点も監視・記録系が制御系と遮断されており、全く問題ないことが確認された。
こうしたことは公開の模擬試験などで対応済みのシステムを使って、実証され、第三者機関によっても確認されていた。 むしろ大きな問題が発生するとすれば、需要・消費の側。
電気は発電量と消費量がおおむね見合うこと、つまり発電された電気は必ずその分が瞬時に消費されなければならない。 見合った需要・消費がなく発電すれば発電機が故障する。
需要・消費の急減は大事につながりかねない。 そこで仮に大工場などの消費量の多い需要側で二〇〇〇年問題が発生、元旦に需要が急減してしまった場合、発電量も速やかにそれに応じて減らさなければならない。

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